
MLMナビ運営者です。バリの兄貴という強烈なキャラクター、一度見たら忘れられないですよね。「すごい資産家らしいけど、実はネットワークビジネスのアムウェイや楽読と関係があるんじゃないか?」「宗教みたいで怪しい」といった噂を耳にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。特に、友人からバリ島ツアーやセミナーに誘われて、どう判断すべきか迷っているあなた。丸尾孝俊氏の評判やRTHプログラムの実態、そしてMLMとの違いについて、業界視点でズバリ解説します。
記事のポイント
- バリの兄貴がMLMではなく実業家である明確な根拠
- 「怪しい」と噂される原因となった勧誘やツアーの実態
- 楽読やオンラインサロンと兄貴との本当の関係性
- 友人から誘われた際の冷静な判断基準と対処法
バリの兄貴とネットワークビジネスの噂と真相

- バリの兄貴は何者?丸尾孝俊の経歴
- アムウェイなどのMLMに関与しているか
- 活動が怪しいと言われる最大の理由
- 宗教のような勧誘があるという懸念
- 友人からの紹介には注意が必要な場合も
バリの兄貴は何者?丸尾孝俊の経歴
まずは基本情報の整理からいきましょう。バリの兄貴こと丸尾孝俊(まるお たかとし)氏は、1966年生まれ、大阪府出身の日本人資産家です。現在はインドネシアのバリ島に在住しており、その風貌と豪快な生き様から「アニキ」の愛称で親しまれていますが、彼の人生はまさに波乱万丈そのものです。
中学卒業後、看板屋やトラック運転手など職を転々とし、吉本興業のディスコ運営に関わった後に独立。しかし、日本でのビジネスに行き詰まりを感じ、28歳で単身バリ島へ渡りました。驚くべきは、当時の所持金がわずか18万円程度だったというエピソードです。現地では言葉もわからない中、手持ち資金を元手に「輪投げ屋」の露店からスタートし、その後冷蔵庫のレンタル業などで日銭を稼ぐ日々を送っていました。
転機が訪れたのは、困っている現地の人にお金を貸した際、担保として受け取った荒地(田んぼ)が、リゾート開発の波に乗って価格が高騰したことでした。彼はこの資金を元手に不動産デベロッパーとして本格的に事業を開始。バリ島の観光バブルという時代の波を見事に捉え、不動産の売買やヴィラの建築、ホテル運営などで資産を幾何級数的に増やしていきました。
現在では、関連会社31社を統括し、従業員数は約5000名を超える規模のビジネスグループを築き上げています。所有する不動産は東京ドーム数十個分とも言われ、自宅は大理石をふんだんに使った広大な豪邸で、数十人の使用人に囲まれて暮らしています。
ただ、彼が多くの日本人から支持される理由は、単なるお金持ちだからではありません。現地で学校や病院を寄付したり、道路を舗装したりといった社会貢献活動を積極的に行っているほか、親のいない子供たちを支援する孤児院の運営にも尽力しています。これまで延べ50人以上の里子を育ててきたという実績もあり、その「稼いだお金は世のために使う」という人情味あふれる哲学が、多くのファンを惹きつけているのです。2014年に堤真一さん主演で公開された映画『神様はバリにいる』のモデルになったことでも有名ですね。
兄貴のキャラクター性
金髪にサングラス、高級ブランドのアロハシャツ、そしてコテコテの関西弁。「うさんくさい」と感じる人もいるかもしれませんが、実際に会った人の多くは「愛のある毒舌」「本質を突くアドバイス」に心を掴まれると言います。彼の自宅には、人生に迷った日本の若者や経営者が連日訪れ、深夜まで語り合うのが日常茶飯事となっています。
アムウェイなどのMLMに関与しているか
ここが皆さんが一番気になっているポイントかと思いますが、結論から申し上げます。調査の結果、バリの兄貴本人がアムウェイやニュースキン、ハーバライフといった特定のネットワークビジネス(MLM)企業のディストリビューターとして活動している事実は一切確認されていません。
ネットワークビジネス、いわゆる連鎖販売取引とは、特定商取引法で定義されている通り、個人が販売員となって商品を販売し、さらに他人を販売員として勧誘することで組織を拡大していくビジネスモデルです。この仕組み自体は違法ではありませんが、バリの兄貴の収益構造とは根本的に異なります。(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド『連鎖販売取引』)
なぜ彼がMLMに関与していないと言い切れるのか、理由は大きく3つあります。
第一に、彼の資産規模です。すでに不動産事業やホテル経営など、実業の世界で巨万の富を築いている彼が、今さら他社の商材を販売してコミッション(紹介料)を得る必要性が全くありません。MLMでトップタイトルを取るよりも、自身が所有する土地の値上がりの方がはるかに大きな利益を生むレベルの資産家だからです。
第二に、公式サイトや事務局の対応です。実は、過去に「バリの兄貴も推奨しているビジネスだ」と嘘をついて、勝手に彼の名前を利用してMLMの勧誘を行っていたグループが存在したようです。これに対し、兄貴の事務局側は「兄貴の名前を使った悪質な勧誘に注意してください」「特定のネットワークビジネスを推奨することは一切ありません」と明確に警告を発しています。本人が関与しているなら、このような注意喚起は出さないはずですよね。
第三に、彼の「弟子を取らない」というスタンスです。MLMはダウンライン(下位会員)を増やして組織化することが必須ですが、丸尾氏は「俺には弟子は一人もおらん。師弟関係みたいな上下関係は嫌いや」と公言しています。誰かを囲い込んで組織化するビジネスモデル自体を、彼の美学として好まない傾向があります。
ではなぜ「アムウェイ」などのサジェストが出るのかというと、おそらく兄貴のファンやツアー参加者の中に、個人の活動としてMLMを行っている人が一定数含まれているからだと推測されます。類は友を呼ぶと言いますが、自己啓発や成功哲学に関心が高い層は、ネットワークビジネスにも親和性が高いため、結果的に「兄貴の周りにMLMをやっている人が多い」という状況が生まれ、それが誤解を生んでいるのでしょう。
活動が怪しいと言われる最大の理由
本人がMLMをやっていないなら、なぜこれほどまでに「怪しい」「ネットワークビジネスっぽい」と言われ続けるのでしょうか。その最大の理由は、ビジネスモデルではなく、彼のファンや取り巻きによる「口コミによる広がり方」にあります。
バリの兄貴の知名度を上げている主な要因は、書籍や映画だけでなく、実際にバリ島を訪れる「ツアー」や「オンラインサロン」の存在です。そして、これらの集客方法の多くが、既存のファンやサロンメンバーによる「紹介(口コミ)」に依存しています。
例えば、あなたが久しぶりに会った友人からこんな風に言われたらどう思いますか?
よくある誘い文句の例
「この前、バリ島ですごい大富豪に会ってきたんだけど、人生観が激変したよ!」
「君も今の仕事で悩んでるなら、絶対兄貴に会ったほうがいい。一緒に行こう!」
「兄貴の教えを学べば、誰でも成功できるチャンスがあるんだよ。」
この熱量、そして「成功」「人生が変わる」「すごい人に会わせる」というキーワード。これらは、典型的なネットワークビジネスの勧誘トーク(ABCなどの手法)と構造が非常に似ていますよね。誘われた側からすれば、その背後にMLMの商材があろうとなかろうと、「知人から熱心に何かよくわからない高額なものに誘われている」という構図だけで、警戒スイッチが入ってしまうのです。
また、ネット上の掲示板やYahoo!知恵袋などには、「友人がバリの兄貴にハマって、周りをしつこく勧誘している」「SNSでキラキラした投稿ばかりして、兄貴礼賛をしているのが痛々しい」といった相談が散見されます。このように、熱狂的なファンが自発的に行う布教活動が、外から見ると「組織的なマルチ勧誘」のように見えてしまうというのが、怪しいと言われる最大の要因だと私は分析しています。
宗教のような勧誘があるという懸念
「怪しさ」を助長しているもう一つの要因が、コミュニティ特有の宗教的な熱気です。これはカリスマ性のある人物を中心としたコミュニティには付き物ですが、バリの兄貴の場合も例外ではありません。
彼の語る言葉は、ビジネスのノウハウというよりは、「人としての在り方」「愛」「感謝」「ご縁」といった精神的な教訓が中心です。これらは人生に迷いや苦しみを抱えている人にとって、非常に強い救いとなります。そのため、彼に救われたと感じた人々は、彼を単なる実業家以上に「メンター」や「教祖」のように崇拝してしまう傾向があります。
ツアーやイベントの様子を撮影した動画などを見ると、参加者が涙を流して感謝を伝えたり、兄貴の一挙手一投足に歓声を上げたりするシーンが見受けられます。内部の人にとっては感動的な光景でも、冷めた目で見ている外部の人からすれば「洗脳されているんじゃないか?」「カルト宗教の集会みたいだ」と感じてしまうのも無理はありません。
また、自己啓発セミナー業界によくある「ハイテンションなノリ」も、懸念材料の一つです。イベント会場で全員で大声を出したり、特定の合言葉を叫んだりといった独特の空気感があり、これに馴染めない人が「異様な集団」としてネガティブな口コミを広めるケースもあります。
もちろん、信教の自由があるように、誰を尊敬し慕うかは個人の自由です。しかし、「兄貴の言うことは絶対」という思考停止に陥ったファンが、他人に対してその価値観を押し付けるような強引な勧誘(シェア)を行った場合、それは「ありがた迷惑」を超えて「恐怖」となり、結果として「怪しい宗教団体のようなビジネス」というレッテルを貼られてしまうのです。
友人からの紹介には注意が必要な場合も
もしあなたが、親しい友人や知人から「バリの兄貴に会いに行こう」「オンラインサロンに入らないか」と誘われた場合、どのように対応すべきでしょうか。ここでは、人間関係を壊さずに、かつ自分を守るための注意点をお伝えします。
まず理解しておきたいのは、誘ってきている友人の心理状態です。彼らの多くは、悪意を持ってあなたを騙そうとしているわけではありません。本気で「自分が体験して良かったから、あなたにも教えてあげたい」という善意(お節介)で動いているケースがほとんどです。だからこそ厄介なのです。
しかし、ここで注意すべきは、その友人が「紹介することによる何らかのメリット」を期待していないか、という点です。バリの兄貴本人はMLMをしていませんが、彼を担ぎ上げている周辺のグループや、ツアーを企画している代理店レベルでは、紹介者へのキャッシュバックや、コミュニティ内での地位向上(兄貴に認められるなど)といったインセンティブが働いている可能性もゼロではありません。
特に危険な兆候としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 「今すぐ決めないと席が埋まる」と急かしてくる。
- ツアー代金が高額(30万円〜)であるにもかかわらず、詳細なスケジュールや内訳を教えてくれない。
- 「お金がないなら借りればいい」「投資だと思えば安い」と借金を推奨してくる。
- 断ると「君は変わる気がないんだね」「一生そのままでいいの?」と人格否定をしてくる。
このようなアプローチを受けた場合は、きっぱりと断る勇気が必要です。「興味がない」と伝えるのが難しければ、「今は仕事が忙しくて時間が取れない」「金銭的な余裕ができたら自分から調べる」と先延ばしにするのも一つの手です。大切なのは、友人の熱に流されず、自分自身の価値観とお財布事情に照らし合わせて、冷静に判断することです。
バリの兄貴はネットワークビジネスでなく実業家

- 楽読関係者が企画するバリ島ツアー
- オンラインサロンの仕組みと活動内容
- 高額なツアー参加者のリアルな口コミ
- 実際に詐欺被害の報告はあるのか
- 評判は賛否両論?参加者の体験談
- 成功哲学はネットワークビジネスと異なる
- バリの兄貴はネットワークビジネスか見極めよ
楽読関係者が企画するバリ島ツアー
バリの兄貴に関連するキーワードとして頻繁に登場するのが「楽読(らくどく)」です。楽読とは、「速読」を通じて脳を活性化させ、コミュニケーション能力や感性を高めることを目的としたスクールで、日本国内だけでなく海外にも展開しています。
実は、この楽読の創始者である平井ナナエ氏とバリの兄貴は親交が深く、楽読関係者が主催する形で「RTH(Return To Human)バリ島プログラム」などの名称でツアーが定期的に開催されています。これは、単なる観光旅行ではなく、「本来の自分(Human)に還る」ことをテーマにした研修プログラムのような位置づけです。
ツアーの内容は、兄貴の邸宅(アニキ邸)を訪問して直接話を聞く時間のほか、現地の寺院での沐浴、孤児院への訪問、参加者同士のディスカッションなどが組み込まれています。参加者の多くは楽読のインストラクターや受講生ですが、一般からの参加も受け入れている場合があります。
ここでのポイントは、このツアー自体は「旅行商品」や「研修サービス」として販売されているという点です。参加費(数十万円規模)はかかりますが、それは航空券、宿泊費、食事代、そして兄貴や運営スタッフへの対価として支払われるものであり、参加者が新たな参加者を勧誘することで永続的な権利収入(コミッション)を得るようなMLMの仕組みとは異なります。
ただし、楽読というコミュニティ自体が非常に結束力が強く、独特のポジティブな文化を持っているため、外部から参加するとその雰囲気に圧倒されることがあるかもしれません。「楽読の勧誘もセットでされるのではないか?」と懸念する声もありますが、基本的には別々のサービスです。とはいえ、主催者が同じである以上、コミュニティへの勧誘が行われる可能性は念頭に置いておいた方が良いでしょう。
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2026年冬(1月~2月)
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オンラインサロンの仕組みと活動内容

丸尾氏は現在、「アニキリゾートライフ」というオンラインサロンを運営しています。これはDMMオンラインサロンなどのプラットフォームを利用した月額会員制コミュニティで、サブスクリプション型のビジネスモデルです。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 主なコンテンツ | 兄貴からの毎日の動画メッセージ配信 メンバーからの人生相談への回答(Q&A) ビジネスや人間関係に関するコラム「アニキ語録」 ゲストを招いての対談映像 |
| 特徴的な特典 | 抽選でバリ島旅行への無料招待(航空券等は実費の場合あり) 会員数が一定数増えるごとに、バリ島に会員専用ヴィラを建設する計画 会員限定のリアルオフ会やパーティーへの参加権 |
| 料金設定 | 月額1,000円〜数千円程度(※時期やキャンペーンにより変動あり) |
このオンラインサロンの仕組みを見てもわかるように、あくまで主軸は「情報コンテンツの提供」と「ファンコミュニティの運営」です。サロン会員が友人をサロンに入会させたからといって、その会員に紹介料が入るようなMLM的な報酬システムは採用されていません(DMMのアフィリエイト機能などは別として、直接的なマルチ商法ではありません)。
兄貴にとって、このサロンは収益源の一つであると同時に、自分の哲学を広めるための基地であり、将来的なビジネスパートナーを見つけるための人材プールの役割も果たしていると考えられます。実際にサロンメンバーの中から、バリ島での新規事業のプロジェクトメンバーが抜擢されることもあるようです。つまり、「ファンクラブ」兼「人材発掘の場」というのが正しい理解でしょう。
高額なツアー参加者のリアルな口コミ

バリの兄貴に会うツアーは、一般的なバリ島旅行に比べて割高に設定されることが多いです。費用は内容によりますが、20万円〜50万円程度になることも。決して安くない金額を支払って参加した人々は、実際どう感じているのでしょうか。ネット上の体験談やSNSの声を徹底的にリサーチしてみました。
肯定的な意見(満足している人)
「兄貴の豪邸に泊まらせてもらって、朝まで膝を突き合わせて語り合った。あんな大富豪が自分ごときの話を真剣に聞いてくれて、涙が出るほど感動した。」
「ヘリコプター移動や白バイ先導など、VIP待遇が凄まじかった。普通に生きていたら絶対にできない体験ができて、セルフイメージが上がった。」
「参加者は経営者や意識の高い人が多く、そこで一生付き合える仲間に出会えた。参加費以上の価値があったと思う。」
肯定派の多くは、兄貴の「おもてなし精神」と「非日常体験」、そして「人との出会い」に価値を感じています。論理的なビジネススキルよりも、感情的な充足感やモチベーションアップを求めている人にとっては、非常に満足度が高いようです。
否定的な意見(不満を感じた人)
「兄貴の話は面白かったけど、結局は『気合い』や『人情』といった精神論ばかりで、具体的なビジネスの解決策は得られなかった。」
「周りの取り巻きの人たちが『兄貴最高!』とおだてている雰囲気が異様で、ついていけなかった。」
「ツアー代金の内訳が不明瞭。ほとんどが仲介業者の利益になっているのではないかと勘ぐってしまった。」
否定派の意見としては、具体的な成果(売上アップの手法など)を期待して肩透かしを食らったケースや、コミュニティの独特な空気に馴染めなかったケースが目立ちます。「何を求めて参加するか」によって満足度が天と地ほど変わる商材であることは間違いありません。
実際に詐欺被害の報告はあるのか
インターネットの検索候補に「詐欺」と出ることがありますが、私が様々な公的機関のデータベースや口コミサイトを調査した限りでは、バリの兄貴やその関連会社が、警察沙汰になるような具体的な詐欺事件を起こしたという事実は確認できませんでした。
詐欺とは、刑法上で「人を欺いて財物を交付させる行為」を指します。例えば、「お金を払ったのにツアーが開催されず、返金もされない」「絶対に儲かると言われて投資したが、配当が支払われない」といったケースです。現状、丸尾氏の周辺でこのような明白な犯罪行為が行われているという情報はありません。
ではなぜ詐欺と言われるのかというと、多くの場合は「期待値とのギャップ」によるものです。「人生が変わると言われて高い金を払ったのに、何も変わらなかった」「稼げるようにならなかった」という主観的な不満が、「騙された」「詐欺だ」という強い言葉で表現されているのが実情です。これは情報商材や自己啓発セミナー、コンサルティング業界全体につきもののリスクであり、必ずしも法的な詐欺とはイコールではありません。
ただし、兄貴の名前を勝手に語る第三者による詐欺未遂のような事案(「兄貴の仮想通貨案件がある」など)は過去に噂レベルであったようなので、公式ルート以外からの怪しい儲け話には十分警戒する必要があります。
評判は賛否両論?参加者の体験談
ここまで見てきたように、バリの兄貴に対する評判は、見事なまでに真っ二つに分かれています。これは彼が「万人に好かれるキャラクター」ではなく、強烈な個性を持った「尖った人物」だからこそでしょう。
彼を支持する層は、主に以下のような人々です。
- 現状を打破したいが、何をすべきかわからない若者
- 人間関係や組織運営に悩む経営者
- 理屈っぽい現代社会に疲れ、昭和的な人情や熱さを求めている人
彼らにとって、兄貴の「細かいことは気にするな、死ぬこと以外かすり傷や」といった豪快なメッセージは、背中を強く押してくれる特効薬になります。「兄貴のおかげで行動できた、起業できた」という感謝の声は本物でしょう。
一方で、彼を批判する層は、論理的思考を好む人や、精神論・根性論を嫌う人たちです。「成功したのはたまたま土地が値上がりしただけじゃないか」「再現性のないラッキーパンチを成功法則として語るな」という冷ややかな視点も、一面の真実を突いています。
私としては、「合う人には最高に合うし、合わない人には全く理解できない世界」というのが、最もフラットで正確な評価だと考えます。どちらが正しいということではなく、あなたがどちらのタイプかによって、彼との関わり方を決めるべきです。
成功哲学はネットワークビジネスと異なる
最後に、彼のビジネス哲学とMLMの思想の違いについて触れておきましょう。一般的なネットワークビジネスでは、「権利収入(不労所得)」や「システムの力」「てこの原理」が強調されます。「自分が働かなくてもお金が入ってくる仕組みを作ろう」というのが、多くのMLMの魅力的な勧誘文句です。
しかし、バリの兄貴が説く成功哲学は、これとは少し毛色が異なります。彼の著書『出稼げば大富豪』や講演で語られるのは、「目の前の人を喜ばせろ」「損して得取れ」「相手を儲けさせることで、巡り巡って自分に返ってくる」「現場で誰よりも汗をかけ」といった、非常に日本的で浪花節的なビジネス論です。
彼は「仕組みで楽をして稼ぐ」ことよりも、「泥臭い人間関係の構築こそが最強のビジネススキルであり、セーフティネットである」と主張しています。困ったときに助けてくれる仲間(ネットワーク)を作るという意味では似ていますが、それは金銭的な利害関係で繋がったダウンラインではなく、恩義や人情で繋がった「兄弟分」のような関係性です。
この「アナログな人間関係の重視」こそが彼の真骨頂であり、システム化されたMLMとは一線を画す思想だと言えます。「兄貴のようになりたい」と思ってMLMを始めるのは、彼の教えとはむしろ逆行する行為なのかもしれませんね。
バリの兄貴はネットワークビジネスか見極めよ
長くなりましたが、結論をまとめます。バリの兄貴(丸尾孝俊氏)の活動自体は、違法なマルチ商法やネットワークビジネスではありません。彼は自身のブランド力と人間力を武器にビジネスを展開する、稀有な実業家です。
しかし、彼を慕うコミュニティの一部で、熱心すぎる勧誘や紹介活動が行われており、それが誤解を招いていることは否定できません。もしあなたが、友人や知人からバリの兄貴関連のイベントに誘われたときは、以下の3つのポイントを冷静にチェックしてください。
- 価値の確認:そのツアーやセミナーに、金額に見合う価値を「自分自身」が感じているか?(友人に言われたからではなく、自分の意思か)
- プレッシャーの有無:「誰かを誘わないといけない」「断ったら縁を切る」といった、不健全なプレッシャーをかけられていないか?
- 依存心への警戒:「兄貴に会えばすべて解決する」「人生を一発逆転できる」という、他力本願な思考になっていないか?
情報は力です。ネット上の噂に流されず、自分の目で見て、自分の頭で考えて判断すること。そして、甘い話や熱狂的な空気に飲み込まれず、地に足をつけて行動すること。それが、あなたの資産と大切な人間関係を守る、一番確実な方法ですよ。この記事が、あなたの冷静な判断の一助になれば幸いです。
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