
このページの目的と使い方
このページは、ネットワークビジネス(MLM / マルチ商法)について、 「なんとなく不安…」「勧誘されて困っている…」「契約してしまったけど大丈夫かな…」 と感じている方が、一人で悩まずに、信頼できる情報と相談先にたどり着けるようにするための「案内板」です。
インターネット上には、ネットワークビジネスに関するいろいろな情報がありますが、 中には間違っていたり、極端な意見だけが書かれているものもあります。
そこで、このページでは、
- 日本の公的機関(消費者庁・国民生活センター など)
- 法律に関する公式な解説サイト
- 業界団体
- 海外の公的機関(アメリカ連邦取引委員会・FTC)
など、信頼度の高い情報源だけを厳選してまとめて紹介します。 それぞれのリンクの前後で、 「このページにはこんなことが書かれているよ」「こういうときに役に立つよ」 という形で、できるだけやさしく説明していきます。
使い方としては、次のようなイメージです。
- まずは、このページの説明をざっと読む
- 自分の状況に近そうな項目を探す
- 必要に応じて、公的機関のリンクをクリックして、くわしい情報を確認する
- 「やっぱり不安」「自分では判断できない」と思ったら、迷わず相談窓口に連絡する
少し長いページですが、上から順番に読む必要はありません。 気になる見出しのところだけ読んでいただいても大丈夫です。
ネットワークビジネスと「連鎖販売取引」:まずは基本を知ろう
ネットワークビジネスは法律上「連鎖販売取引」と呼ばれます
ネットワークビジネスは、法律の世界では 「連鎖販売取引(れんさはんばいとりひき)」と呼ばれます。 これは、ある人を販売員として勧誘し、その人がまた次の人を勧誘して…という形で、 ネットワーク(連鎖)を広げていく仕組みのことです。
この「連鎖販売取引」がどんな仕組みなのか、どんなルールで決められているのかを、 分かりやすく説明してくれているのが、消費者庁の 「特定商取引法ガイド」です。
権威サイト1:消費者庁「特定商取引法ガイド(連鎖販売取引)」
ここでは、連鎖販売取引について、
- どのような取引が「連鎖販売取引」に当たるのか
- 勧誘するときにどんな説明が必要なのか
- クーリング・オフなど、消費者を守るためのルール
などが公式に、そして比較的わかりやすい言葉で解説されています。
ネットワークビジネスに誘われている方や、実際に始めている方は、 「自分が関わっているものが、どんな法律に基づいているのか」を知るために、 一度目を通しておくことをおすすめします。
特定商取引法とは?全体像をざっくりつかむ
「連鎖販売取引」は、特定商取引法という法律の中に含まれる取引の一つです。 特定商取引法は、
- 訪問販売
- 通信販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引(ネットワークビジネス)
- 特定継続的役務提供(エステ・学習塾など)
- 業務提供誘引販売取引(内職商法など)
など、「トラブルが起こりやすい取引」をまとめてルールを決めている法律です。
つまり、ネットワークビジネスだけが特別に危ない、というよりは、 他の取引と同じように「トラブルになりやすいから、法律でしっかり守りましょう」 というスタンスで扱われています。
権威サイト2:消費者庁「特定商取引法ガイド(総合トップ)」
特定商取引法がどんな取引を対象にしているのかを、 全体的にまとめているのが、こちらのページです。
「ネットワークビジネスだけでなく、他にもどんな取引でトラブルが多いのか?」 を知ることで、自分や家族を守る意識も高まります。
経済産業省による特定商取引法の説明
特定商取引法については、消費者庁だけでなく、 経済産業省(関東経済産業局など)も情報を出しています。 こちらは、少し専門的な内容も含みますが、 「法律の背景」や「事業者側の視点」などを知るのに役立ちます。
権威サイト3:経済産業省 関東経済産業局「特定商取引に関する法律」
特定商取引法の概要や対象となる取引の説明がまとまっています。 法律をもう少し深く理解したい方や、事業者側の考え方も知りたい方に役立つ情報です。
日本の公的機関による「マルチ商法の実態」と注意喚起
どれくらい相談があるの?数字で見るマルチ取引
「マルチ商法のトラブルは本当に多いの?」と感じる方も多いと思います。 これを客観的な数字で教えてくれるのが、 国民生活センターです。
権威サイト4:国民生活センター「マルチ取引(各種相談の件数や傾向)」
このページでは、
- マルチ取引に関する相談件数(年度ごとの推移)
- どんな内容の相談が多いのか(例:解約・返金のトラブルなど)
- どの年代の相談が多いのか
といった情報が、わかりやすい表やグラフでまとめられています。
自分の感覚だけで「大丈夫そう」「やばそう」を判断するのではなく、 実際にどれくらいの人が困っているのかを数値で知ることで、 もっと冷静に判断できるようになります。
「つながり」を使った勧誘に注意:身近な人からの誘いほど断りにくい
ネットワークビジネスの勧誘で多いのが、 友人・知人・先輩・ママ友など「身近な人」からの誘いです。 身近な人からの誘いは、信頼している分、断りにくく、 トラブルにつながりやすいと言われています。
権威サイト5:国民生活センター「マルチ商法の勧誘に注意」などの注意喚起ページ
国民生活センターは、マルチ商法に関する注意喚起として、 具体的な相談事例や、よくあるパターンを紹介しています。
例えば、
- 「儲かる投資がある」と誘われて実はマルチ商法だった
- 健康食品や美容商品の販売を装った勧誘
- 「セミナーに来てほしい」と言われて足を運んだら、ネットワークビジネスの説明会だった
など、実際のケースに基づいた情報がまとめられています。
▶ 国民生活センター「つながりを通じたマルチ商法の勧誘に注意」(見守り情報など)
自分や家族が同じような状況に置かれていないか、 一度チェックしてみることをおすすめします。
困ったとき・不安なときの具体的な相談窓口
「おかしいかも?」と思ったら、まずは188(消費者ホットライン)に電話
契約してしまったあとに、
- 「やっぱりやめたいけど、どうしたらいい?」
- 「クーリング・オフができるのか分からない」
- 「高額な商品を買わされてしまった」
などと感じた場合、まず頼りになるのが 「消費者ホットライン 188(いやや)」です。
権威サイト6:消費者庁「消費者ホットライン 188」案内ページ
消費者庁のサイトでは、消費者ホットライン188について、
- どんなときに相談できるのか
- 電話すると、どこにつながるのか
- 相談は無料かどうか
などがくわしく説明されています。
権威サイト7:政府広報オンライン「困ったときは、消費者ホットライン188番にご相談を!」
もう少しやさしい言葉で188について説明しているのが、 政府広報オンラインの解説ページです。 イラストや会話形式で説明されている部分もあり、 雰囲気をつかむのにとても役立ちます。
▶ 政府広報オンライン「どうしよう?困ったときは、消費者ホットライン188番にご相談を!」
「電話するのがちょっとこわい…」という方も、 まずこのページを読んでみると、 相談のイメージがつかめて少し気が楽になるはずです。
ネットワークビジネスに関する通報・被疑情報の提供
中には、
- 「自分は被害者というほどではないけれど、違法っぽい気がする」
- 「周りで怪しい勧誘が行われているのを見かけた」
といったケースもあります。
そうした場合に、 「これは法律違反の可能性がありますよ」と情報提供できる仕組みが 「法違反被疑情報の提供フォーム」です。
権威サイト8:国民生活センターのFAQ経由で案内される通報フォーム
国民生活センターのFAQでは、 「特定商取引法違反の疑いがある場合、どこに通報すればよいか?」 という疑問に対して、 消費者庁の情報提供フォームなどを案内しています。
▶ 国民生活センター FAQ「悪質商法を通報したい場合は?」
「自分だけの問題ではなく、他にも被害者が出そう…」と感じたときは、 こうした仕組みを活用することで、 同じような被害を防ぐことにもつながります。
メールやフォームでの問い合わせページ
電話が苦手な方や、まずは文章で相談したい方に向けて、 消費者庁は問い合わせ先の一覧やフォームへの案内も行っています。
権威サイト9:消費者庁「相談・問い合わせ窓口の案内ページ」
若者向けの消費者教育サイトなども含め、 「どこに問い合わせればよいか分からない」という人向けに、 連絡先や窓口を案内しているページがあります。
▶ 消費者庁「問い合わせ窓口の案内」(問い合わせ先一覧の一例)
「電話でうまく説明できる自信がない…」という方は、 メモを取りながらこのページを見て、 自分に合った相談方法を選んでください。
業界側の自主規制やルールを知る:日本訪問販売協会(JDSA)
すべての訪問販売やMLMが違法なわけではない
ここまで読むと、 「ネットワークビジネス=全部違法なのでは?」と感じるかもしれませんが、 そうとは限りません。
法律に従い、ルールを守って活動している会社も存在します。 そうした企業が加盟する業界団体のひとつが、 公益社団法人 日本訪問販売協会(JDSA)です。
権威サイト10:公益社団法人 日本訪問販売協会(JDSA)公式サイト
日本訪問販売協会は、
- 訪問販売に関する業界の自主ルールづくり
- 会員企業の倫理規定や自主行動基準
- 訪問販売に関する相談や苦情の受付
などを行っている団体です。
自分が関わっている、あるいは勧誘を受けている会社が、 こうした業界団体に加盟しているかどうかをチェックすることで、 一つの「目安」にはなります。 ただし、加盟しているから100%安心、というわけではない点にも注意が必要です。
海外の公的機関から見たMLMとピラミッドスキーム
アメリカ連邦取引委員会(FTC)が教える「MLMと詐欺的ピラミッド」の違い
ネットワークビジネスは、日本だけでなく世界各国で行われています。 その中で、アメリカ連邦取引委員会(FTC)は、 MLMと違法なピラミッドスキームの違いについて、 とても分かりやすく解説しています(英語)。
権威サイト11:FTC「Multi-Level Marketing Businesses and Pyramid Schemes」
このページでは、
- 合法的なMLMビジネスと、違法なピラミッドスキームの違い
- どんな特徴があると危険な可能性が高いか
- 消費者が気をつけるべきポイント
などが、具体的な例を交えながら説明されています。 英語ですが、翻訳ツールを使いながら読む価値は十分にあります。
▶ Federal Trade Commission「Multi-Level Marketing Businesses and Pyramid Schemes」
「海外ではどう見られているのか?」という視点を持つことで、 日本国内の情報だけでは見えにくい部分にも気づけることがあります。
具体的な利用シーン別:どの情報源・相談先を使えばいい?
ケース1:これからネットワークビジネスに参加しようか迷っている
まだ契約はしていないけれど、参加を勧められて迷っている… という段階であれば、次のステップがおすすめです。
- まず、ネットワークビジネスがどういう仕組みか、 消費者庁「連鎖販売取引」のページでざっくり確認する
- 国民生活センターの「マルチ取引の相談件数」を見て、 どれくらいの人がトラブルで相談しているかを数字で知る
- それでも不安なら、契約する前に 消費者ホットライン188へ相談してみる
「迷っている段階」で相談するのは、悪いことではありません。 むしろ、事前に相談しておくことで大きなトラブルを防げる可能性が高くなります。
ケース2:すでに契約していて、やめたい・不安を感じている
すでに契約して商品を購入していたり、紹介料や参加費を支払っている場合は、 一人で抱え込まず、早めに相談することが大切です。
- 契約日や契約書を確認し、 クーリング・オフが可能な期間かどうかをチェックする(特定商取引法ガイドを参照)
- 状況を整理しながら、 消費者ホットライン188に電話する
- 電話が難しい場合は、 国民生活センターや消費者庁の問い合わせページを参考に、 メールや窓口の情報を確認する
「高い商品を買ってしまって自分が悪い」「もっと勉強してから契約すればよかった」と 自分を責めてしまう方も多いのですが、 まずは「今できる対処」に目を向けることが大切です。
ケース3:身近な人がマルチ商法らしきものにのめり込んでいる
自分ではなく、家族や友人がマルチ商法にのめり込んでいるケースもよくあります。 この場合、
- 正面から「やめなよ」と否定すると関係がこじれてしまう
- でも、このまま見ているだけなのもつらい
という、難しい状況になりやすいです。
こうしたケースでも、 一度 消費者ホットライン188 や 国民生活センター に相談してみることで、
- どう声をかけたらいいか
- 何に気をつけるべきか
などのアドバイスをもらえることがあります。
まとめ:不安を感じたら一人で抱え込まないことが何より大切
ネットワークビジネスは「情報の非対称性」が大きい世界
ネットワークビジネスの世界では、
- 勧誘する側は、ある程度の知識や経験がある
- 勧誘される側は、仕組みをよく知らないことが多い
という「情報の差」がどうしても生まれます。 その差が大きいほど、トラブルになりやすく、 後から「聞いていた話と違う」と感じる原因にもなります。
だからこそ、
- 公的機関(消費者庁・国民生活センター など)の情報を知る
- 相談窓口(188など)の存在を知り、いつでも使える状態にしておく
- 海外の情報(FTCなど)からも、もう一歩引いた視点で見る
ことが、とても大切です。
このページで紹介した主な権威サイトのおさらい
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「連鎖販売取引」:
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/multilevelmarketing/ - 消費者庁 特定商取引法ガイド(総合トップ):
https://www.no-trouble.caa.go.jp/ - 経済産業省 関東経済産業局「特定商取引に関する法律」:
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/tokusho/tokushouhou/index.html - 国民生活センター「マルチ取引(各種相談の件数や傾向)」:
https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/multi.html - 国民生活センター「マルチ商法の勧誘に注意」などの注意喚起ページ:
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen464.html - 国民生活センター FAQ(悪質商法の通報など):
https://www.faq.kokusen.go.jp/faq/show/534?site_domain=default - 消費者庁「消費者ホットライン188」案内ページ:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ - 政府広報オンライン「どうしよう?困ったときは、消費者ホットライン188番にご相談を!」:
https://www.gov-online.go.jp/article/201807/entry-8222.html - 消費者庁「問い合わせ窓口の案内ページ」:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/consumer_education/lower_the_age_of_adulthood/inquiry/ - 公益社団法人 日本訪問販売協会(JDSA):
https://jdsa.or.jp/ - Federal Trade Commission「Multi-Level Marketing Businesses and Pyramid Schemes」:
https://consumer.ftc.gov/multi-level-marketing-businesses-pyramid-schemes
最後に:迷ったら「相談する」を当たり前に
ネットワークビジネスに限らず、お金や契約が絡む話は、 「よく分からないまま進めてしまう」と後悔につながりやすいものです。
少しでも不安を感じたら、
- 自分一人で抱え込まず
- 家族や信頼できる友人に話し
- 必要に応じて公的機関に相談する
という流れを、ぜひ「普通のこと」として考えてみてください。
このページが、あなたやあなたの大切な人が、 ネットワークビジネスと上手に距離をとりながら、 冷静に判断するための手助けになれば幸いです。